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March 1331997

 芹レタスセロリパセリよ血を淨めよ

                           山本左門

然から遠ざかるほど、人は病気に近づく。京都浄瑠璃寺の住職がラジオで話していた。作者の焦燥感も、そこに根拠を持っている。歴史上、自然が昨今ほどに人間の問題となったことはないのである。その意味で、まことに現代的な俳句だ。この句は、小川双々子が主宰する「地表」(一宮市)で、今年度の地表賞を受賞した作品のひとつ。双々子は、左門句が現在の俳壇に蔓延する季語季題趣味と無縁であることを評価し、さらに言う。「季語は業のようなものだから、その純正なはたらき(詩としてのはたらき)を駆使するなど容易ではない。大方は<俳>などというはたらきを計るから、自らの居場所さえ解らなくなる為態となる」。(清水哲男)




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